外壁の雨だれとは?自分で掃除する方法もご紹介します!
2023.10.16 (Mon) 更新
外壁に現れる黒い筋状の汚れは、美観を損ねるだけでなく、建物の劣化にもつながります。
雨だれ汚れの原因や対処法、再発防止策を理解しておくことは重要です。
外壁の雨だれその原因と放置リスク
雨だれが発生する主な原因
雨だれは、雨水に含まれる大気中の汚染物質が外壁に付着することで発生します。
ホコリや排気ガス、花粉、炭酸カルシウムなどの微細な粒子が、雨水と一緒に外壁を伝い、筋状に定着してしまいます。
都市部では空気中の汚染物質が多いため、雨だれが発生しやすく、外壁の美観に大きな影響を与えることがあります。
住宅構造も雨だれの発生に影響します。窓枠下、換気フード下、バルコニー手すり下など、雨水が集まりやすい箇所は汚れが特に目立ちます。
さらに、外壁塗膜の劣化も雨だれ発生の大きな要因です。新築時は塗膜の撥水性が高く汚れにくいですが、築10年程度で塗膜が劣化すると、雨水に含まれる汚れが定着しやすくなります。
また、外壁の表面が凹凸の多い場合や、サイディングの継ぎ目がある場合も、雨水が筋状に流れやすく、雨だれが残る原因になります。
雨だれが目立ちやすい外壁材
モルタルや窯業系サイディングは、表面に凹凸があるため汚れが付きやすい外壁材です。
特に淡色系の外壁は、黒ずみや雨だれの跡が強調されやすく、清潔感が損なわれることがあります。
また、親水性塗料が使用されていない外壁は雨だれが目立ちやすく、撥水タイプの塗料を使用している場合でも、水が筋状に流れるため、筋状の汚れが残ることがあります。
そのため、塗料や外壁材の種類によって、雨だれの目立ちやすさは大きく変わります。
雨だれを放置するリスク
雨だれを長期間放置すると、汚れが外壁内部に浸透し、通常の清掃では除去が困難になります。
さらに、雨だれによって塗膜が徐々に傷み、外壁にクラックが生じることがあります。
場合によっては雨漏れや建物構造材の腐食、さらにはシロアリの発生など、大規模な修繕や補修につながる可能性もあるため、早めの対策が重要です。
定期的な清掃や外壁塗装のメンテナンスにより、雨だれを予防し、建物の寿命を延ばすことができます。
自分でできる雨だれ除去方法と注意点
中性洗剤を使った手洗い
軽度な雨だれは中性洗剤で除去可能です。
手順は、水で汚れを流した後、ぬるま湯で薄めた中性洗剤をスポンジに含ませ、優しく洗浄し、最後に十分に水で洗い流します。
専用クリーナーの活用
落ちにくい汚れには、外壁用専用クリーナーが有効です。
「黒ずみ」「排ガス」対応の製品を選び、説明書に従って使用します。
作業時は手袋やメガネを着用し、安全に注意します。
高圧洗浄機を使う場合の注意
広範囲の汚れには高圧洗浄機が便利ですが、水圧が強すぎると外壁を傷めます。
特に劣化した外壁や目地がある場合は、業者に依頼する方が安全です。
自己洗浄時の共通注意点
高所作業は事故防止のため慎重に。
風の強い日や雨天は避け、外壁を傷つけないよう柔らかいスポンジを使用します。
汚れが取れない場合は無理をせず、専門業者に依頼しましょう。
雨だれを再発させない予防策
雨筋ストッパーの設置
雨水の流れを変える雨筋ストッパーを窓枠下や換気フード下に設置すると、筋状の汚れが定着しにくくなります。
雨筋ストッパーは、雨水の流れを分散させ、外壁に直接筋状に水が流れるのを防ぐことで、雨だれの原因となる汚れを抑制します。
設置場所や角度を工夫することで、より効果的に雨だれ防止ができ、特に窓やバルコニー手すり周辺では汚れの目立ちやすい箇所への対策として有効です。
防汚性能の高い外壁コーティング
親水性のある外壁コーティングを施すことで、汚れの付着を防ぎ、雨水で自然に洗い流すセルフクリーニング効果が期待できます。
コーティングは、外壁表面を保護する役割も果たすため、塗膜の劣化を遅らせ、外壁の寿命を延ばすことにもつながります。
また、防汚性能のあるコーティングは、都市部や花粉・排気ガスが多い地域でも効果を発揮し、長期間にわたって美観を維持できます。
定期的な点検と清掃
年1〜2回の目視点検と清掃を行うことで、汚れの蓄積を防ぐことができます。
特にポストや窓枠、換気フード周りなど汚れが溜まりやすい箇所を重点的に確認すると効果的です。
定期的な清掃は、軽い汚れのうちに取り除くことで外壁へのダメージを最小限に抑え、雨だれ跡や黒ずみの固定化を防ぎます。
掃除の際には、外壁に負担をかけない柔らかいブラシや中性洗剤を使用することも重要です。
外壁塗装による根本対策
塗膜が劣化している場合は、低汚染性塗料や光触媒塗料での再塗装が根本的な対策となります。
低汚染性塗料は親水性を高めることで、雨水が汚れを自然に洗い流す効果を発揮します。
光触媒塗料は、太陽光の力で汚れを分解し、さらに雨で流れやすくするため、長期間にわたり外壁をきれいに保つことができます。
塗装の際には下地処理や塗布量を適切に行うことで、より効果を高めることが可能です。
専門業者に依頼する判断基準
汚れが広範囲に広がっていたり、黒ずみが濃くなっている場合、高所作業が必要な箇所や劣化した外壁では、専門業者に依頼する方が安全です。
費用はかかりますが、仕上がりの美しさや耐久性、作業の安全性を考えると安心です。
まとめ
外壁雨だれは大気汚染、塗膜劣化、構造的要因が複合して発生します。
軽度なら自分で除去可能ですが、安全面や広範囲の汚れには業者の利用が賢明です。
再発防止には雨筋ストッパー、防汚コーティング、定期清掃、そして低汚染性塗料などを活用することで、美観と耐久性を長く保つことができます。