外壁塗装の施工トラブルとは?原因究明と対策・予防策を解説
2025.03.12 (Wed) 更新
外壁塗装は、住まいの美観を保つだけでなく、建物を保護する重要な役割を担っています。
しかし、工事の品質や業者とのコミュニケーション不足から、様々なトラブルが発生することも少なくありません。
本記事では、外壁塗装でよくある施工トラブルの事例、原因、そして対策についてご紹介します。
これらの情報を参考に、安心して外壁塗装を行うための知識を身につけましょう。
外壁塗装でよくある施工トラブルとは
色のイメージ違い
外壁塗装で最も多いトラブルの一つが、色のイメージ違いです。
色見本で選んだ色が、実際に塗装された外壁の色と異なって見えることがあります。
これは、色見本のサイズが小さいことや、太陽光の当たり方、周囲の環境などによって色の見え方が変わるためです。
塗りムラや塗り残し
塗りムラや塗り残しは、施工業者の技術不足や手抜き工事が原因で発生します。
特に、室外機や給湯器の裏側、高所など、普段目に付きにくい場所で発生しやすい傾向があります。
光の加減で見えにくい軽微なムラは、施工不良と認められない場合もあります。
契約書の内容と照らし合わせて、明らかに塗り残しがある場合は、再塗装を依頼しましょう。
塗膜の剥がれ
塗膜の剥がれは、塗装後比較的早い段階で発生することがあります。
原因としては、下地処理の不備、塗料の乾燥不足、塗料と外壁材の相性の悪さなどが考えられます。
高圧洗浄で汚れや古い塗膜を十分に除去せずに塗装した場合、塗料がしっかりと密着せずに剥がれてしまうことがあります。
付帯部分の不具合
外壁塗装工事では、雨樋、軒天、破風板などの付帯部分も同時に塗装することが一般的です。
これらの付帯部分に塗り残しや色の違い、破損などが発生するケースがあります。
工事完了後には、付帯部分の状態も注意深く確認しましょう。
外壁塗装 施工トラブルの原因を究明
下地処理の不備
下地処理は、外壁塗装の仕上がりを左右する重要な工程です。
ケレン作業(汚れや古い塗膜の除去)、研磨、目荒らし(塗料の密着性を高めるための表面加工)、洗浄などが不十分だと、塗膜が剥がれやすくなります。
特に、塗装前の洗浄が不十分だと、ホコリや油分が残って塗料の密着を妨げ、早期の剥がれにつながることがあります。
塗料の選定ミス
外壁材と塗料の相性が悪いと、塗膜の剥がれや膨れなどのトラブルが発生することがあります。
外壁塗装では、一般的に下塗り、中塗り、上塗りの3度塗りで仕上げますが、それぞれの塗料の組み合わせが重要です。
塗料メーカーの推奨する組み合わせを守り、適切な塗料を選定することが大切です。
業者の技術不足
外壁塗装は、専門的な知識と技術を必要とする工事です。
経験の浅い業者や技術力の低い業者に依頼すると、塗りムラ、塗り残し、塗膜の剥がれなどの施工不良が発生するリスクが高まります。
業者選びは慎重に行い、信頼できる業者に依頼することが重要です。
また、塗料を希釈する際に、メーカーが指定する希釈率を守らない業者も存在します。
必要以上に希釈すると、塗膜が薄くなり、耐久性が低下する原因となります。
施工トラブルを防ぐための対策
業者選びは慎重に
外壁塗装業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
見積もりの内容だけでなく、業者の実績、評判、保証制度なども確認しましょう。
実際に施工事例を見せてもらったり、過去の顧客の評判を聞いたりするのも有効です。
見積もりをしっかり確認
見積もりは、工事の内容、使用する塗料、費用などを明確に記載したものである必要があります。
「一式」という曖昧な表現ではなく、具体的な数量や単価が記載されているかを確認しましょう。
塗料の種類やメーカー名、塗装面積なども確認し、不明な点があれば業者に質問して納得するまで説明を受けましょう。
契約内容を明確にする
契約書には、工事の内容、工期、費用、保証内容、支払い条件などが詳細に記載されているかを確認しましょう。
口頭での約束は、後でトラブルになる可能性があるため、必ず書面に残すようにしましょう。
クーリングオフ制度についても確認しておきましょう。
訪問販売や電話勧誘で契約した場合、一定期間内であれば無条件で契約を解除できます。
工事中のコミュニケーションを密に
工事が始まったら、業者とのコミュニケーションを密にすることが大切です。
工事の進捗状況や疑問点などを積極的に確認し、気になることがあればすぐに業者に伝えましょう。
工事中に色のイメージが違うと感じた場合は、早めに業者に相談し、可能な範囲で修正を依頼しましょう。
FAQ(よくある質問)
Q1: 外壁塗装の耐用年数はどのくらいですか?
A1: 外壁塗装の耐用年数は、使用する塗料の種類によって大きく異なります。
一般的に、アクリル塗料は約5~7年、ウレタン塗料は約8~10年、シリコン塗料は約10~15年、フッ素塗料は約15~20年と言われています。
ただし、実際の耐用年数は、気候条件や建物の立地環境、メンテナンス状況などによって変動します。
Q2: 外壁塗装の費用相場はどのくらいですか?
A2: 外壁塗装の費用は、建物の大きさ、使用する塗料の種類、施工業者によって異なります。
一般的に、30坪程度の住宅の場合、シリコン塗料を使用すると約80万円~120万円、フッ素塗料を使用すると約120万円~180万円が相場と言われています。
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
Q3: 外壁塗装で火災保険は適用されますか?
A3: 自然災害(台風、地震、火災など)によって外壁が破損した場合、火災保険が適用されることがあります。
ただし、経年劣化によるひび割れや剥がれなどは、火災保険の対象外となることが一般的です。
保険会社に確認し、適用条件や必要な手続きについて確認しましょう。
まとめ
外壁塗装における施工トラブルは、事前の対策と業者選びによって大きく減らすことができます。
契約内容の見直し、業者との密なコミュニケーション、そして工事中の確認を怠らないことが重要です。
万が一トラブルが発生した場合は、専門機関への相談も視野に入れ、冷静に対処しましょう。
信頼できる業者を選び、適切な工事を行うことで、住まいを長持ちさせることができます。