ルーフィング葺とは?住宅を守る防水の要・選び方と種類を解説
2024.12.26 (Thu) 更新

ルーフィング葺とは、屋根材の下に敷かれる防水シートのこと。
普段は見えない部分ですが、雨漏りを防ぎ、住宅の寿命を左右する非常に重要な役割を担っています。
この記事では、ルーフィング葺の選び方について、その種類や特徴、注意点などを解説します。
ルーフィング葺とは?その役割と重要性
雨漏りを防ぐ最後の砦
ルーフィングは、屋根材の下に敷かれる防水シートで、「下葺き材」とも呼ばれます。
屋根材だけでは完全に雨水の侵入を防ぐことは難しく、瓦やスレートなどの屋根材の隙間から雨水が浸入することがあります。
ルーフィングは、これらの浸入した雨水を屋根裏に侵入させず、軒先へと排水する役割を担っています。
ルーフィングがしっかりと機能していれば、屋根材が多少劣化していても雨漏りを防ぐことが可能です。
しかし、ルーフィングが劣化してしまうと、雨水が屋根内部に浸入し、雨漏りの原因となります。
住宅の寿命を左右する
雨漏りは、住宅の構造材である木材を腐らせ、建物の耐久性を著しく低下させます。
木材の腐食は、シロアリなどの害虫を誘引し、さらに被害を拡大させる可能性もあります。
ルーフィングは、雨漏りを防ぐことでこれらのリスクを回避し、住宅の寿命を延ばす上で非常に重要な役割を果たします。

ルーフィング葺 選び方のポイント
屋根材との相性を確認
ルーフィングを選ぶ際には、使用する屋根材との相性を考慮することが重要です。
屋根材の種類によって、最適なルーフィング材が異なります。
例えば、金属屋根には透湿性のあるルーフィングが適している場合があります。
施工業者に相談し、屋根材に最適なルーフィングを選びましょう。
耐久性と耐用年数をチェック
ルーフィングの耐久性と耐用年数は、住宅の寿命に大きく影響します。
ルーフィングの耐用年数は、一般的に10年から60年と幅広く、素材や種類によって異なります。
屋根材の耐用年数と同等、またはそれ以上の耐久性を持つルーフィングを選ぶことが重要です。
価格だけで選ばない
ルーフィングを選ぶ際、価格は重要な要素ですが、安価なルーフィングが必ずしも良いとは限りません。
耐久性や防水性が低いルーフィングを選んでしまうと、早期に雨漏りが発生し、結果的に高い修理費用が発生する可能性があります。
長期的な視点で考え、品質の高いルーフィングを選ぶようにしましょう。
信頼できる業者を選び、適切なルーフィング材を提案してもらうことが大切です。

ルーフィング材の種類と特徴
アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは、原紙にアスファルトを染み込ませたルーフィング材です。
比較的安価で、住宅の屋根で広く使用されています。
ただし、アスファルトは温度変化に弱く、高温時には軟化し、低温時には硬化する性質があります。
そのため、耐久性は他のルーフィング材に比べて劣る場合があります。
耐用年数は10年から20年程度です。
改質アスファルトルーフィング
改質アスファルトルーフィングは、アスファルトに合成ゴムや樹脂などを添加し、耐久性を高めたルーフィング材です。
アスファルトルーフィングの弱点である温度変化への対応力を向上させており、ひび割れや劣化を防ぎます。
耐用年数は20年以上と長く、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスに優れています。
粘着層を設けた製品もあり、カバー工法にも適しています。
高分子ルーフィング
高分子ルーフィングは、合成ゴムや塩化ビニルなどの高分子材料を使用したルーフィング材です。
軽量で柔軟性があり、施工性に優れています。
また、耐候性や防水性にも優れており、陸屋根などにも使用されます。
製品によっては透湿性を持つものもあり、湿気対策にも有効です。
耐用年数は15年から20年程度です。
FAQ(よくある質問)
Q1: ルーフィングの重ね幅はどのくらいが適切ですか?
A1: ルーフィングの重ね幅は、製品の種類や施工方法によって異なりますが、一般的には縦方向に100mm以上、横方向に200mm以上とされています。
メーカーの仕様書を確認し、適切な重ね幅で施工することが重要です。
重ね幅が不足すると、雨水が浸入するリスクが高まります。
Q2: ルーフィングの点検は必要ですか?
A2: ルーフィングは屋根材の下に隠れているため、定期的な点検は難しいですが、屋根のメンテナンスを行う際に、ルーフィングの状態も確認してもらうことをお勧めします。
特に、築年数が経過している場合は、ルーフィングの劣化が進んでいる可能性があるため、専門業者に点検を依頼すると安心です。
Q3: 粘着タイプのルーフィングはどのような屋根に適していますか?
A3: 粘着タイプのルーフィングは、屋根カバー工法に適しています。
既存の屋根材の上にルーフィングを重ねて施工するため、釘やビスを使用せずに固定できる粘着タイプが便利です。
ただし、アスベスト含有の屋根材には使用できない場合があるため、注意が必要です。
まとめ
ルーフィングは、雨漏りを防ぎ、住宅の寿命を左右する重要な役割を担っています。
ルーフィングを選ぶ際には、屋根材との相性、耐久性、価格などを考慮し、最適な製品を選ぶようにしましょう。
信頼できる業者を選び、適切な施工を行うことで、安心して暮らせる住まいを実現できます。






















