水巻町猪熊にてボード目地部にアステックシールを使用し充填を行いました
2025.10.11 (Sat) 更新
こんにちは!読書をする為に本を沢山買ってますが追いつかずにどんどんたまっていっているペイント官兵衛の伊藤です(‘ω’)ノ
本日は、水巻町猪熊にて先日シーリング撤去した現場にシーリングの充填を行っています。外壁(特に窯業系サイディング物件)において、シーリング工事は塗装と同じくらい、むしろそれ以上に重要な役割を担います。
・今回はアステックシールのペール缶タイプの使用をおこないました。ペール缶の中身を攪拌後(中身をしっかりと混ぜる事)※この攪拌が意外と重要です!!)に専用のガンに中身をいれていきます。
これ粘度が高い為、なかなかいれずらいですが慣れた手つきでいれていきます。
準備が整いシーリングの充填作業です!!
ガンの中身が無くなったらペール缶から補充してを繰り返して施工していきます!!
シーリング材の「ペール缶タイプ」と「カートリッジタイプ」の違いと使い分け
まず、シーリング材には大きく ペール缶タイプ と カートリッジタイプ の 2 種類の荷姿があります。それぞれに長所・短所がありますので、現場規模やコスト感、使いやすさを踏まえて使い分けをします。
項目 | ペール缶タイプ | カートリッジタイプ |
---|---|---|
容量 / 単位 | 4L〜6L程度の缶入りが多い | 320ml前後の筒型(1本タイプ) |
単価・コスト | 大量使用時に割安(1mあたりコストを抑えやすい) | 小面積補修・少量施工向き。1本使い切りが基本 |
ロス処理 | ガンに残った材料を缶へ戻して再利用しやすい(多少のロスを抑えられる) | 開封後は基本的に使い切り。余った分は再装填できないため、ロスが出やすい |
タックフリー時間(表面が触ってベタつかなくなる時間) | ペール缶仕様は、ガンに充填する時間を考慮してカートリッジよりもタックフリー時間を長めに調整されていることが多い | カートリッジはそのまま吐出するタイプで、タックフリー時間は比較的短め設計の場合あり |
色のバリエーション | ペール缶は通常、ホワイト1色のみという場合が多い | カートリッジタイプは複数色があって、上塗り塗料に近い色を選べる製品もある |
このような特性を踏まえ、 現場で大量にシーリング目地がある場合はペール缶タイプ を基本選択とすることが多いです。一方で、細かい補修や、将来的な色合わせを意識したい現場では カートリッジタイプを併用 することもあります。
本日の作業:ペール缶からガンへの充填準備と注意事項
本日はペール缶タイプのシーリング材を用いて目地充填を行います。以下は、ペール缶タイプを使う際の準備工程や注意点です。
1. 準備器具・道具の確認
専用シーリングガン(ペール缶用)
ペール缶用の吸引アダプタ付きガンを使います。ガンと缶を接続するホースやチューブ、逆止弁などが付属していることが多いです。撹拌用具
缶の中身をかき混ぜるスクリュー攪拌機や攪拌棒を準備。顔料が沈殿している可能性があるため、しっかり撹拌する必要があります。マスキングテープ・養生材
目地の両サイドを養生して、シーリング材が壁面にはみ出さないようにします。プライマー/下地処理材
目地の下地に塗布するプライマー(シーリング材と下地の接着を高める処理材)を準備しておきます。ヘラ・押え材(専用ヘラ・金ベラなど)
充填後の押さえ込みや均し用。テーパー断面を整えるため使います。カッターナイフ・剥がし道具
既存シーリング材を撤去する場合に使用。清掃用具
シンナー、布、エアブローガンなど。目地面のホコリや汚れを除去するために使います。
2. 缶の内容点検と前処理
缶の蓋を開ける → 薄皮や硬化した膜の除去
長期間保管されていた場合、表面に薄皮状の硬化物ができていることがあるので、取り除きます。撹拌・混合
缶内部に顔料分や架橋剤などの成分差が起きていることがあるため、底からよく撹拌します。缶温度・環境チェック
冬季・夏季で可使時間(使える時間)が異なる製品もあります。特にペール缶タイプでは、Aタイプ/Bタイプの仕様で温度毎の可使時間設定があるものもあります。
3. ガンへの充填
缶とガンを接続し、シーリング材をガンへ吸引させます。
ガンの先端ノズルを目地に通し、シーリング材を押し出す準備を整えます。
4. 目地の充填と押さえこみ
事前にマスキングテープで目地両端を養生。
充填時には空気を巻き込まないように、少しずつ押し込むように充填。
押さえ材(ヘラ・金ベラ)で表面を均しながら、目地断面を整えます(斜め断面、底まで充填など意識)。
押さえが終わったら、速やかにマスキングテープをはがす。
なぜ“打ち替え”が必須なのか?シーリングの役割と劣化リスク
シーリング工事は塗装工事と一緒に行うべき重要工程です。特に窯業系サイディング住宅では目地にシーリングが使われており、以下のような役割を持っています。
防水性確保:目地からの雨水浸入を防止
緩衝性(吸収性):サイディング同士の膨張/収縮による応力を吸収
→ サイディングは温度や湿度変化で膨張・収縮を繰り返すため、シーリングがないと目地にヒビ割れが生じる恐れがあります
これらの役割から、シーリングの 打ち替え(既存シーリング材を撤去し新しいものを充填する) が、多くの現場で基本的・推奨される工法となります。
既存シーリングを上から被せる 増し打ち 工法も存在しますが、既存材の劣化が進んでいる場合には接着不良や剥離リスクが高まります。そのため、目地の状態によっては必ず撤去してから打ち替えることがセオリーとされます。
また、シーリング材は紫外線・雨・温度変化にさらされるため、材質や耐候性も重要です。打ち替えの際には、塗装と相性の良い ノンブリード性・変性シリコン系 材を使うことが一般的です。例えば、変性シリコン系は硬化後に上塗り塗料が定着しやすい特徴を持ちます。
本日の現場から学んでほしいこと・読者へのメッセージ
外壁塗装をご検討中の方は、シーリング工事を塗装工程と一緒に実施することがコスト効率・施工品質の面で非常に有利です。なぜなら、足場を仮設する回数を減らせるからです。
既存シーリングが目立って劣化している(ひび割れ、痩せ、剥離、断裂など)場合は、増し打ちではなく 打ち替え工法 を推奨します。施工済後の剥がれリスクを低減できます。
ペール缶タイプのシーリング材を使う際には、缶内の前処理、撹拌、温度・可使時間管理、空気巻き込み防止、押さえ・養生取りなど、きめ細かい管理が不可欠です。
塗装とシーリング材との相性(ノンブリード性、変性シリコン、モジュラス特性など)は、長期的な耐久性・見た目を左右します。施工業者に確認して選ぶようにしましょう。