スレート屋根とは?メリット・デメリット・メンテナンスを徹底解説
2025.07.20 (Sun) 更新

スレート葺きは、住宅の屋根材として広く用いられていますが、その特徴やメリットについて詳しくご存じない方もいるかもしれません。
スレート屋根は、デザイン性やコストパフォーマンスに優れる一方で、メンテナンスも重要です。
この記事では、スレート葺きの基礎知識から、そのメリット・デメリット、メンテナンス方法までを幅広くご紹介します。
スレート屋根の採用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
スレート葺きとは
スレートの定義
スレート葺きとは、薄い板状に加工されたスレートという屋根材を用いて屋根を葺く工法です。
住宅用としては、平型の化粧スレートが一般的で、「カラーベスト」や「コロニアル」といったブランド名でも知られています。
これらのブランド名はスレート全体を指す言葉としても使われるほど普及しています。
スレートの種類
スレートには、天然スレートと化粧スレートの2種類があります。
天然スレートは、天然の岩石から切り出されたもので、耐久性と美しい風合いが特徴です。
高価であるため、一般住宅での使用は稀ですが、東京駅の屋根にも使用されています。
一方、化粧スレートは、セメントや合成樹脂を原料として製造されたもので、比較的安価であることが特徴です。
日本の住宅に広く普及しており、一般的にスレート屋根という場合は、この化粧スレートを指します。
化粧スレートはさらに、平板スレート、厚型スレート、波形スレートに分類できます。
平板スレートは、薄い板状でフラットな形状をしています。
「カラーベスト」や「コロニアル」という名称で呼ばれることもあります。
厚型スレートは、瓦のような形状をしており、「セメント瓦」や「モニエル瓦」とも呼ばれます。
1990年代に人気がありましたが、現在では製造されていません。
波形スレートは、波状の形をしており、工場や倉庫などでよく使用されています。

スレート葺き メリットとは?
コストパフォーマンスの高さ
スレート屋根は、他の屋根材と比較して材料費や施工費が安価であるため、コストパフォーマンスに優れています。
特に新築時に費用を抑えたい場合に適しています。
施工も比較的容易なため、工期も短縮できる場合があります。
デザイン性の豊富さ
スレート屋根は、様々な色やデザインが用意されており、建物の外観に合わせて自由に選択できます。
和風、洋風、モダンなど、どんなスタイルの住宅にも調和し、個性を演出できます。
例えば、落ち着いた色合いのスレートで和風住宅に風格を与えたり、明るい色合いのスレートで洋風住宅を華やかにしたりすることが可能です。
軽量で耐震性が高い
スレート屋根は、瓦屋根と比較して約3分の1程度の重さであるため、建物への負担が少なく、耐震性に優れています。
地震の揺れによる建物の損傷リスクを軽減することができます。
東日本大震災以降、軽量な屋根材としてスレートが注目され、耐震性向上のために採用する住宅が増加しました。

スレート葺きのデメリット
定期的なメンテナンスの必要性
スレート屋根は、素材自体に防水性がないため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
塗装が劣化すると、雨水が浸透し、ひび割れや反りの原因となります。
一般的に、10~15年ごとに塗装を行うことが推奨されます。
割れやひび割れのリスク
スレート屋根は、薄い板状であるため、強い衝撃や経年劣化により割れやひび割れが発生するリスクがあります。
特に、飛来物や積雪などには注意が必要です。
割れやひび割れを放置すると、雨漏りの原因となるため、早めの補修が必要です。
凍害や藻の発生
寒冷地では、スレート内部に浸透した水分が凍結し、膨張することでスレートが破損する凍害が発生する可能性があります。
また、湿気の多い場所では、スレート表面に藻やコケが発生しやすく、美観を損ねるだけでなく、スレートの劣化を促進する原因にもなります。
スレート葺きのメンテナンス
塗装の重要性
スレート屋根のメンテナンスにおいて、塗装は非常に重要です。
塗装によってスレート表面に塗膜を形成し、防水性を高めることで、雨水の浸透を防ぎます。
また、紫外線からスレートを保護し、劣化を抑制する効果もあります。
塗装を行う際には、下地処理をしっかりと行い、適切な塗料を選ぶことが重要です。
カバー工法という選択肢
カバー工法とは、既存のスレート屋根の上に新しい屋根材を重ねて葺く方法です。
既存のスレートを撤去する必要がないため、葺き替えに比べて費用を抑えることができます。
また、工期も短縮できるというメリットもあります。
カバー工法には、ガルバリウム鋼板などの軽量な金属屋根材がよく用いられます。
葺き替えが必要なケース
スレート屋根の劣化が著しい場合や、雨漏りが深刻な場合には、葺き替えが必要となることがあります。
葺き替えでは、既存のスレートを全て撤去し、新しい屋根材を葺き直します。
費用は高くなりますが、屋根の耐久性を大幅に向上させることができます。
また、葺き替えの際には、断熱材を追加したり、屋根の形状を変更したりすることも可能です。
FAQ(よくある質問)
Q1: スレート屋根の耐用年数はどのくらいですか?
A1: スレート屋根の耐用年数は、一般的に20~30年程度と言われています。
しかし、定期的なメンテナンスを行うことで、30年以上持たせることも可能です。
メンテナンスを怠ると、20年程度で寿命を迎えることもあります。
Q2: スレート屋根のメンテナンス費用はどのくらいかかりますか?
A2: スレート屋根のメンテナンス費用は、メンテナンス方法や屋根の面積、使用する塗料などによって異なります。
塗装の場合、30坪程度の住宅で40~60万円程度が相場です。
カバー工法の場合、100~160万円程度、葺き替えの場合、180~220万円程度が相場となります。
Q3: アスベストが含まれているスレート屋根はどうすれば良いですか?
A3: 2006年以前に製造されたスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。
アスベストが含まれているスレート屋根のメンテナンスや解体を行う際には、専門業者に依頼し、適切な処理を行う必要があります。
アスベストの飛散を防ぐために、法令に基づいた作業を行うことが重要です。
まとめ
スレート葺きは、コストパフォーマンス、デザイン性、耐震性に優れた屋根材です。
しかし、定期的なメンテナンスが必要であり、割れやひび割れ、凍害などのリスクも存在します。
適切なメンテナンスを行うことで、スレート屋根を長持ちさせることができます。
スレート屋根の採用を検討されている方は、メリット・デメリットを理解した上で、専門業者に相談し、最適な屋根材を選びましょう。























