外壁塗装の塗料選び!無機塗料とフッ素塗料とは?性能や選び方を解説
2024.03.30 (Sat) 更新

外壁塗装を検討する際、塗料選びは重要な決定です。
中でも無機塗料とフッ素塗料は、その耐久性の高さから注目を集めています。
しかし、それぞれの特徴や違いを理解することは容易ではありません。
この記事では、無機塗料とフッ素塗料について、基本性能から選び方、注意点まで詳しくご紹介します。
どちらの塗料がご自宅に最適か、判断の一助となれば幸いです。
無機塗料とはどんな塗料か
無機塗料の定義
無機塗料とは、主成分にセラミックやケイ素などの無機物を使用した塗料のことです。
ガラスや陶器のように、紫外線などの自然環境による劣化を受けにくい性質を持っています。
この特性により、無機塗料は優れた耐久性と耐候性を発揮します。
ただし、完全に無機物だけで構成されているわけではなく、塗膜の柔軟性や密着性を高めるために、少量の有機物が添加されているのが一般的です。
無機塗料の主成分
無機塗料の主成分は、シリカ、チタン、アルミナなどの無機化合物です。
これらの無機物は、紫外線や雨などの影響を受けにくく、塗膜の劣化を防ぐ役割を果たします。
また、無機塗料には、カビやコケの発生を抑制する効果や、防火性を高める効果も期待できます。
製品によっては、特殊な無機顔料を配合することで、遮熱性や断熱性を付与しているものもあります。
無機塗料の耐用年数
無機塗料の耐用年数は、一般的に20年〜25年程度と言われています。
これは、他の塗料と比較して非常に長い期間です。
ただし、耐用年数は、塗料の種類や品質、施工方法、環境条件などによって異なります。
有機物の含有量によっても耐用年数は変わるため、事前に塗料の成分を確認することが大切です。
定期的なメンテナンスを行うことで、さらに寿命を延ばすことも可能です。

フッ素塗料とはどんな塗料か
フッ素塗料の定義
フッ素塗料とは、フッ素樹脂を主成分とした塗料のことです。
フッ素樹脂は、耐候性、耐薬品性、低摩擦性などに優れており、建物の外壁や屋根を長期間保護する効果があります。
もともとは、東京スカイツリーやレインボーブリッジなどの大型建造物に使用されていましたが、近年では一般住宅にも普及しつつあります。
フッ素塗料の主成分
フッ素塗料の主成分は、フッ化ビニリデン樹脂や四フッ化エチレン樹脂などのフッ素化合物です。
これらのフッ素化合物は、分子構造が安定しており、紫外線や酸性雨などの影響を受けにくいという特徴があります。
また、フッ素塗料には、撥水性や防汚性を高めるための添加剤が配合されていることもあります。
フッ素塗料の耐用年数
フッ素塗料の耐用年数は、一般的に15年〜20年程度と言われています。
無機塗料と比較するとやや短いですが、シリコン塗料などの一般的な塗料よりも長寿命です。
フッ素塗料は、その耐久性の高さから、塗り替えの頻度を減らすことができ、長期的なメンテナンスコストを抑える効果が期待できます。
外壁塗装で迷わない 無機塗料とフッ素塗料を徹底比較
耐久性と耐候性の違い
無機塗料とフッ素塗料は、どちらも高い耐久性と耐候性を持っていますが、その性質には違いがあります。
無機塗料は、無機物自体が劣化しにくい性質を持っているため、紫外線や雨などの自然環境に対して非常に強いです。
一方、フッ素塗料は、フッ素樹脂の安定した分子構造により、紫外線や酸性雨などの影響を受けにくいという特徴があります。
一般的には、無機塗料の方が耐候性が高いと言われていますが、フッ素塗料も十分な耐久性を持っています。
費用相場の違い
無機塗料とフッ素塗料の費用相場は、一般的に無機塗料の方がやや高価です。
無機塗料の㎡あたりの単価は、5,000円〜5,500円程度、フッ素塗料は4,300円程度が目安となります。
ただし、費用は、塗料の種類や品質、施工業者、施工面積などによって異なります。
初期費用を抑えたい場合はフッ素塗料がおすすめですが、長期的な視点で見ると、耐久性の高い無機塗料の方がコストパフォーマンスに優れる場合もあります。
メンテナンス頻度の違い
無機塗料とフッ素塗料は、どちらもメンテナンス頻度が少ない塗料ですが、無機塗料の方がよりメンテナンス頻度を抑えることができます。
無機塗料は、その耐久性の高さから、塗り替えの頻度を減らすことができ、長期的なメンテナンスコストを抑える効果が期待できます。
一方、フッ素塗料も、シリコン塗料などの一般的な塗料よりもメンテナンス頻度が少ないですが、無機塗料と比較するとやや頻度が高くなる傾向があります。
おすすめのケースとは
無機塗料は、特に耐久性を重視したい場合におすすめです。
紫外線が強い地域や、雨が多い地域など、過酷な環境下にある住宅には、無機塗料が適しています。
また、メンテナンスの手間をできるだけ減らしたい場合にも、無機塗料がおすすめです。
一方、フッ素塗料は、初期費用を抑えたい場合や、ある程度の耐久性を確保しつつ、コストパフォーマンスを重視したい場合におすすめです。
また、フッ素塗料は、色彩のバリエーションが豊富であるため、デザイン性を重視したい場合にも適しています。
FAQ(よくある質問)
Q1: 無機塗料はどんな外壁にも塗れますか?
A1: いいえ、無機塗料は硬いため、木材など柔らかい素材の外壁には不向きです。
ひび割れのリスクがあるため、弾性塗料を下塗りするなど、適切な下地処理が必要になる場合があります。
Q2: 無機塗料は本当にメンテナンスフリーですか?
A2: いいえ、無機塗料も定期的な点検は必要です。
表面の汚れや軽微な損傷を早期に発見することで、長期的な美観維持につながります。
必要に応じて、高圧洗浄などのメンテナンスを行うことをおすすめします。
Q3: 無機塗料の選び方で注意すべき点はありますか?
A3: 無機塗料を選ぶ際は、無機成分の含有量を確認しましょう。
無機成分が多いほど耐久性が高まりますが、柔軟性が低下する傾向があります。
建物の構造や立地条件に合わせて、最適なバランスの塗料を選ぶことが重要です。

まとめ
無機塗料とフッ素塗料は、どちらも優れた性能を持つ塗料ですが、それぞれに異なる特徴があります。耐久性、費用、メンテナンス頻度などを比較検討し、ご自宅の環境やニーズに合った塗料を選ぶことが大切です。
この記事が、外壁塗装の塗料選びの一助となれば幸いです。




















