外壁塗装における天気と曇りの関係とは?塗装の可否と注意点
2023.07.20 (Thu) 更新
外壁塗装を検討する際に多くの人が気にするのが、「天気」の影響です。
一般的には「晴れた日が最適」と考えがちですが、実際には曇りの日でも外壁塗装を行うことは可能です。
では、曇りの日に塗装を行う場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか?また、曇りの日ならではのメリットはあるのでしょうか?今回は、外壁塗装と天候との関係について、特に「曇りの日」に注目し、その特徴や注意点、利点について詳しくご紹介します。
外壁塗装 天気 曇りでも大丈夫?
外壁塗装は、快晴の日に限らず、曇りの日でも一定の気象条件を満たしていれば問題なく実施可能です。
ただし、天候によって塗装の仕上がりや塗料の性能に影響が出るため、気温や湿度などの気象要素を十分に考慮する必要があります。
塗装に適した気象条件を正しく理解し、曇天時に注意すべきポイントを把握することで、より品質の高い外壁塗装を実現できます。
塗装に適した気象条件とは
外壁塗装を行う際に理想とされる気象条件は、「気温が5℃以上、湿度が85%以下」という基準です。
これは、塗料が適切に乾燥・硬化し、外壁にしっかりと密着するために必要な環境条件です。
特に寒冷地や冬季では、曇りの日に気温が5℃を下回ることがあるため、施工のタイミングを慎重に見極めることが重要です。
また、使用する塗料の種類によっても最適な気温や湿度は異なります。
たとえば、水性塗料は湿度に弱く、油性塗料は比較的耐性があるとされているため、事前に施工業者に確認しておくことが望ましいです。
曇りの日の外壁塗装 3つの注意点
曇りの日に外壁塗装を行う場合には、特に次の3つのポイントに注意が必要です。
これらを把握しておくことで、施工の質を保ちながら、天候によるリスクを最小限に抑えることができます。
1:湿度
曇りの日は一般的に空気中の水分量が多く、湿度が高くなりやすい傾向があります。
湿度が高い状態で塗装を行うと、塗料の乾燥に時間がかかり、塗膜の表面にムラが出たり、密着力が弱まる可能性があります。
こうした問題を防ぐためには、湿度計を使用してこまめに計測し、基準を超えないように管理することが大切です。
必要に応じて、塗装後の乾燥時間を通常よりも長めに確保するなどの対応が求められます。
2:気温
曇りの日は太陽光が遮られるため、晴れの日よりも気温が低くなることがあります。
特に朝晩や風の強い日には気温が予想以上に下がることもあるため、気温が5℃未満にならないかを必ず確認してください。
気温が低すぎると、塗料の化学反応が進まず、乾燥不良や塗膜の劣化につながるリスクがあります。
外壁の場所によっては日陰や風通しの悪い部分の気温がさらに低くなるため、場所ごとの状況も把握しておく必要があります。
3:天候の急変
曇天は晴天と比べて天気が変わりやすく、突然の雨が降ることも珍しくありません。
塗装中に雨が降ってしまうと、塗料が流れて施工不良になる可能性があり、最悪の場合は塗り直しを余儀なくされます。
そのため、作業当日は気象予報を定期的に確認し、必要に応じて雨雲レーダーやリアルタイムの天気アプリを活用することで、天候の変化を早期に察知し、迅速な判断を下すことが重要です。
曇りの日に外壁塗装を行うメリット
一般的には「晴れた日がベスト」と思われがちな外壁塗装ですが、実は曇りの日だからこその利点もいくつか存在します。
ここでは、曇りの日に塗装を行うことによる具体的なメリットをご紹介します。
費用を抑えられる場合がある
多くの施工業者は、天候の良い日に施工スケジュールが集中しがちです。
曇りの日は比較的予約が取りやすいため、業者によっては値引きや柔軟な対応が可能なこともあります。
特に、閑散期と呼ばれる春や秋の中間期に施工を依頼することで、コストを抑えながら質の高い工事を依頼できるケースもあります。
価格交渉を行う際には、天候による柔軟な対応を求めることで、思わぬお得な提案を受けられるかもしれません。
スケジュール調整がしやすい
晴天の日にこだわると、業者の予定がすでに埋まっていて、希望する日程で工事ができない場合があります。
一方で、曇りの日であれば比較的スケジュールに余裕があり、工事の開始日を柔軟に調整しやすくなるという利点があります。
急ぎの工事や引っ越し前後のスケジュールに合わせたい場合など、曇りの日を選ぶことでスムーズに進行する可能性が高まります。
曇りの日の外壁塗装 スムーズに進めるには
曇りの日に外壁塗装を問題なく進めるためには、事前の準備と業者との連携が欠かせません。
塗装の質を保ちつつ、工期の遅延やトラブルを回避するために、以下のポイントを意識しましょう。
業者との情報共有が不可欠
施工当日の天気だけでなく、気温や湿度といった細かな気象データも業者と共有することが大切です。
また、万が一雨が降った場合の対応やスケジュールの見直しなども、事前に取り決めておくことで、慌てずに対処できます。
特に数日にわたる塗装工事では、毎日の天候変化を前提にした工程管理が必要となるため、情報共有の徹底が不可欠です。
天候に合わせた塗料選び
近年では、低温や多湿といった気象条件に強い特殊な塗料も登場しています。
たとえば、「低温硬化型塗料」や「速乾性塗料」などは、曇天時でも高い性能を発揮できるため、工期を短縮したい場合に適しています。
塗料の選定は施工の品質に大きく関わるため、信頼できる業者とよく相談し、自宅の環境や季節に合ったものを選ぶことが重要です。
FAQ(よくある質問)
Q1: 曇りの日に外壁塗装をすると、耐久性は落ちますか?
A1: 適切な気象条件(気温5℃以上、湿度85%以下)を満たしており、塗料がしっかりと乾燥していれば、晴天時と比較して耐久性が大きく劣ることは基本的にありません。
ただし、湿度や気温の管理が不十分だと、塗膜の形成に問題が生じる恐れがあります。
特に、乾燥不良による塗膜の剥離やひび割れといった症状の原因となるため、施工環境の適正化が非常に重要です。
Q2: 曇りの日に外壁塗装を行う場合、工期は長くなりますか?
A2: 曇りの日は塗料の乾燥に時間がかかるため、通常よりも作業時間が延び、結果として工期がやや長くなる可能性があります。
ただし、速乾性塗料を選ぶ、あるいは日中の気温が高めの日を選ぶなどの工夫によって、工期の延長を最小限に抑えることも可能です。
事前に業者と工程を細かくすり合わせておくことがポイントです。
Q3: 外壁塗装中に雨が降ってきた場合はどうなりますか?
A3: 塗装作業中に雨が降り始めた場合は、直ちに作業を中断し、塗装部分が雨に濡れないようにブルーシートや養生シートなどでしっかりと保護します。
雨が完全に止んだ後は、壁面の水分を十分に乾燥させてから、再度塗装作業を行う必要があります。
湿った状態で塗装を再開すると、塗料の密着力が低下し、仕上がりにも悪影響が出るため注意が必要です。
まとめ
外壁塗装は晴れの日に行うのが理想とされがちですが、曇りの日でも適切な条件が整っていれば問題なく施工できます。
ただし、気温や湿度、天候の急変には十分に注意が必要です。
業者との密な連携を取りながら、天候に応じた塗料の選定や作業計画を立てることで、曇りの日でも高品質な仕上がりを目指せます。
曇りだからこそのメリットも踏まえて、柔軟かつ計画的に外壁塗装を進めることが成功のカギとなります。