軒天塗装の色選び!後悔しないための基礎知識とは?
2023.07.04 (Tue) 更新

住宅の印象を大きく左右する軒天は、普段あまり意識しない部分かもしれません。
 しかし、適切な色選びと定期的なメンテナンスを行うことで、建物の美観を保ち、耐久性を高めることができます。
 今回は、軒天の役割から、後悔しない色選びのポイント、費用、塗料、劣化症状までを解説します。
軒天とは?その役割と重要性
軒天の基本的な役割
軒天とは、屋根が外壁よりも外側に突き出している部分の裏側にある天井です。
 軒天には三つの重要な役割があります。
 一つ目は外壁を保護すること。
 屋根から流れる雨水や直射日光が外壁に直接当たるのを防ぎ、劣化を抑制します。
 二つ目は建物の美観の維持。
 下から見える部分で、きれいな軒天は建物全体の印象を引き締めます。
 三つ目は屋根裏換気。
 換気口を通じて湿気を排出し、結露やカビの発生、構造材の腐食やシロアリの発生を防ぎます。
軒天塗装が必要な理由
軒天塗装は、美観の維持、建物の保護、経済的メリットの三つの理由で必要です。
 風雨で汚れやカビが発生しやすいため、塗装で美しさを保てます。
 また、劣化を放置すると害獣の侵入や腐食につながります。
 さらに、外壁塗装と同時に行うことで足場代などを節約でき、経済的です。
軒天の主な材質
軒天の材質は木材系、不燃系、金属系があります。
 木材系は木目が美しいですが耐久性が低く、3~5年ごとの塗り替えが必要です。
 不燃系のケイカル板やフレキシブルボードは耐火性と強度に優れていますが、塗装による保護が必要です。
 金属系は耐火・耐水・耐久性に優れますが、15~20年ごとに錆止め塗装が推奨されます。

失敗しない軒天塗装色選びのポイント
おすすめの軒天塗装 色白
白は汎用性が高く、建物を明るく清潔に見せます。
 特に黒や赤の外壁との相性が良く、軒下全体を明るく見せる効果があります。
 また、光を反射するため狭い軒下でも圧迫感を和らげ、空間を広く感じさせる効果があります。
 ただし汚れが目立ちやすいため、防カビ・防藻塗料の使用が望ましく、定期的な清掃やメンテナンスも組み合わせると長期間美しさを保てます。
おすすめの軒天塗装色 黒
外壁が白の場合、黒はモダンでスタイリッシュな印象を与えます。
 屋根の色と統一すると一体感が増し、建物全体のデザイン性を高めることができます。
 さらに、黒を選ぶことで軒天のラインが際立ち、建物の立体感を強調する効果もあります。
 ただし暗く見えることや、劣化症状が見えにくい点には注意が必要で、定期的なチェックを行い早めの補修を心がけることが大切です。
おすすめの軒天塗装色 クリア
木材調の素材感を活かしたい場合に適しています。
 自然な木目を残しつつ保護するため、新築から10年未満の劣化の少ない軒天向きです。
 また、クリア塗装は汚れや剥がれが目立ちやすいため、こまめなメンテナンスが重要で、定期的に洗浄や軽い塗り直しを行うことで長く美しい状態を保てます。
おすすめの軒天塗装色 黄色・クリーム
薄い黄色は差し色として建物を明るく親しみやすく見せます。
 外観全体に柔らかい印象を与えるため、住宅街で周囲と調和させたい場合に特におすすめです。
 クリーム色は温かみや統一感を出したい場合に適しており、外壁との同系色でまとめると上品で落ち着いた仕上がりになります。
 アクセントとして使用すると、玄関周りや軒下の表情が豊かになり、来訪者に好印象を与えることができます。
外壁や屋根との相性を考慮
軒天は建物全体との調和が重要です。
 外壁や屋根と同系色にするか、アクセントカラーとして使うかを検討しましょう。
 また、軒天の色は視線に入りやすいため、全体の色バランスを崩さないように配慮すると、建物全体の印象がさらに引き締まります。
日陰での見え方と色のギャップ
軒天は日陰になるため、選んだ色と実際の色合いに差が出やすいです。
 特に濃い色はより暗く見える傾向があるため、灰色や薄いトーンで調整すると全体のバランスが取りやすくなります。
 日陰での見え方を考慮して選ぶことで、思っていたより重く暗く見える失敗を防ぐことができます。
カラーシミュレーションの活用
塗装前にカラーシミュレーションを使うと、軒天や付帯部分を含めた建物全体の色を確認でき、理想の外観をイメージしやすくなります。
 また、昼と夜、晴天や曇天などの条件で見え方をシミュレーションすると、実際の光の影響を考慮した色選びが可能になり、後悔のない塗装計画を立てることができます。
軒天塗装の費用と塗料について
軒天塗装の費用相場
費用は1㎡あたり500円〜1,500円が目安で、一般的な住宅では5万〜15万円程度です。
 外壁塗装と同時に行うと足場代を節約できます。
 劣化が進んでいる場合は増張りで20万〜25万円、張り替えで35万〜45万円かかることもあります。
軒天塗装におすすめの塗料
防カビ・防藻性に優れたEP(エマルションペイント)やNAD(アクリル樹脂系非水分散形)塗料がおすすめです。
 外壁塗装と同じ塗料を使うと効率的です。
劣化症状と塗装のタイミング
色あせ、塗装剥がれ、カビ・藻の付着、シミなどが見られる場合は、早めの塗装や点検が必要です。
 放置すると建物の劣化や雨漏りにつながります。
よくある質問
軒天塗装の耐用年数はどれくらいですか?
使用塗料や材質によりますが、一般的には5〜15年です。
 木材系は3〜5年で塗り替えが推奨されます。
軒天塗装で助成金や補助金は利用できますか?
単体では少ないですが、外壁塗装や屋根塗装と同時のリフォーム工事で自治体の助成金や補助金が利用できる場合があります。
軒天のDIY塗装は可能ですか?
可能ですが、高所作業や下地処理、塗料選びの難しさからあまり推奨されません。
 安全で美しい仕上がりを求めるなら専門業者に依頼する方が安心です。

まとめ
軒天は建物の美観を保ち、外壁や屋根裏を保護する重要な役割があります。
 色選びでは人気色や外壁との相性、日陰での見え方を考慮しましょう。
 費用は1㎡あたり500〜1,500円で、外壁塗装と同時に行うと経済的です。
 防カビ性に優れたEPやNAD塗料の使用や、劣化症状の早めの点検・塗装が、長く美しく保つポイントです。





 
















