屋根塗装を検討中の方必見!高圧洗浄でアスベストの飛散を抑える方法をご紹介します!
2023.05.16 (Tue) 更新

屋根塗装の前に行われる高圧洗浄は、塗装の仕上がりや耐久性を左右する重要な工程です。
しかし、古いスレート屋根の場合、アスベスト(石綿)の飛散リスクがあることを理解しておく必要があります。
この記事では、アスベストが飛散する仕組みや健康への影響、最新の法規制、安全な対策方法についてわかりやすく解説します。
高圧洗浄におけるアスベスト飛散の危険性
アスベストが飛散するメカニズム
古い住宅で使われているスレート屋根や仕上塗材の中には、アスベストが含まれていることがあります。
高圧洗浄では、屋根表面の汚れや旧塗膜を強い水圧で削り落としますが、劣化が進んだ屋根では内部の繊維が露出しており、微細なアスベスト繊維が洗浄水とともに飛散する可能性があります。
研究調査では、高圧洗浄中の廃水や空気中にアスベストが検出された例もあり、完全に安全とは言い切れません。
飛散量と健康被害の具体例
環境省の調査では、屋根や外壁の改修時に発生するアスベスト濃度が、環境基準値(0.01本/cm³)に近いケースがあると報告されています。
また、WHOは「安全な暴露レベルは存在しない」としており、長期的な吸入によって中皮腫、肺がん、じん肺などの健康被害を引き起こす恐れがあるとしています。
特に高圧洗浄後の廃水が乾燥し、粉じんとして再び舞い上がるケースもあるため注意が必要です。

高圧洗浄のアスベスト飛散対策
固化剤でアスベストを固める
高圧洗浄を行う前に、屋根の表面に固化剤(シーラー)を浸透させてアスベストを固定化します。
これにより、作業中の飛散を大幅に軽減できます。
ただし、将来的に屋根を撤去する場合には、除去工事が必要になります。
剥離剤でアスベストを除去する
古い塗膜や劣化層を剥離剤で除去し、安全な状態にしてから洗浄する方法です。
除去作業は、石綿作業主任者などの資格を持つ専門業者が行う必要があります。
大量の水で飛散を抑制する
洗浄中は常に大量の水を流し続けることで、乾燥状態を防ぎ、粉じんの発生を抑えます。
ただし、排水にアスベストが含まれている場合があるため、沈殿槽や吸着マットなどを使用して廃水を適切に処理する必要があります。
カバー工法でアスベストを封じ込める
既存のスレート屋根を撤去せず、その上に新しい屋根材を重ねるカバー工法は、アスベストを封じ込める有効な方法です。
飛散リスクを大幅に減らせるため、安全性の高いリフォームとして注目されています。
専門業者による対策の重要性
アスベストを含む建材の洗浄や塗装は、一般の業者が安易に行うべき作業ではありません。
厚生労働省の「石綿障害予防規則」では、作業前の事前調査や飛散防止計画、廃水処理などを行うことが義務付けられています。
必ず専門知識を持つ業者に依頼しましょう。
アスベスト含有建材の高圧洗浄に関する法律と専門家の見解
高圧洗浄時のアスベスト事前調査義務化
2023年10月から、解体・改修・洗浄などの工事を行う前に、アスベストが含まれているかを調査し、結果を報告することが義務化されました。
調査結果は環境省の「石綿事前調査結果報告システム(GビズID)」を通じて提出する必要があります。
厚生労働省が示す水圧の目安
厚生労働省によると、スレート屋根を高圧洗浄する際は、水圧を10〜15MPa程度に抑えることが望ましいとされています。
特に劣化したスレートでは、低圧で丁寧に作業を行うことが推奨されています。
アスベスト建材の見分け方と確認方法
・2006年(平成18年)以前に製造されたスレート材はアスベスト含有の可能性が高い
・製品に「ノンアス」や「NT」の表記がない
・屋根表面に白い粉状の劣化が見られる
これらに該当する場合は、専門業者や分析機関による調査を受けることで、正確に確認することができます。
よくある質問
アスベストを含む屋根でも塗装はできる?
塗装は可能ですが、飛散を防ぐために固化処理やカバー工法などの対策を講じた上で行う必要があります。
高圧洗浄をせずに塗装する方法はある?
洗浄を省くと汚れや苔が残り、塗料の密着性が低下します。
アスベスト含有屋根の場合は、低圧洗浄や薬品洗浄を併用することで安全に施工できます。
洗浄後の排水はどう処理すればいい?
排水中のアスベストを沈殿やフィルターで回収し、直接排水溝や土壌へ流さないようにします。
飛散リスクを完全にゼロにできる?
完全にゼロにするのは難しいですが、固化・湿潤化・低圧洗浄・廃水処理・カバー工法を組み合わせることで、リスクを大幅に低減できます。

まとめ
スレート屋根の高圧洗浄は、塗装の仕上がりを高める一方で、アスベスト飛散のリスクを伴います。
安全に作業を行うためには、事前調査・飛散防止対策・専門業者への依頼が欠かせません。





















