外壁塗装に水性無機塗料を選ぶなら・種類・メリット・デメリットを解説
2023.05.12 (Fri) 更新

外壁塗装の選択肢として、耐久性や環境性能が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
近年、注目されている水性無機塗料は、その優れた特性から多くの方に選ばれています。
今回は、水性無機塗料の基本的な特徴から、メリットやデメリット、適切な選び方についてご紹介します。
ご自宅の塗装を考える上で、役立つ情報が見つかるかもしれません。
水性無機塗料とは?基本と有機塗料との違い
無機塗料の定義と主成分
無機塗料とは、鉱物やセラミックなどの無機成分を主成分とした塗料を指します。
有機塗料とは異なり、紫外線や雨風による劣化が少なく、耐久性に優れている点が特徴です。
完全な無機成分だけでは柔軟性が低いため、一部有機樹脂を加える「ハイブリッド構造」で施工性を向上させています。
主成分にはシリカ(SiO2)や酸化チタン(TiO2)、セラミックなどがあり、紫外線による分解を受けにくく、外壁の耐久性を向上させます。
水性無機塗料は溶剤として水を使用するため、揮発性有機化合物(VOC)の排出が少なく、環境負荷も低いです。
有機塗料との違いを比較
有機塗料はアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの有機樹脂が主成分で、紫外線で劣化しやすいのに対し、無機塗料は耐候性が高く、耐久年数は15〜25年程度です。
価格は無機塗料の方が高く、施工には専門技術が必要ですが、メンテナンス頻度は低く抑えられます。
無機塗料は親水性によりセルフクリーニング効果があり、環境面でも優位性があります。
水性無機塗料が注目される理由
水性無機塗料は、環境配慮と安全性、長寿命、高い防汚性、カビや藻の発生抑制といった特性で注目されています。
有機溶剤を使用せずVOC排出が少なく、作業環境や近隣への影響も少ない点も大きなメリットです。
雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング効果により、都市部や雨の多い地域でも外壁の美観を保ちやすく、湿気の多い場所でもカビや藻の発生を抑えられます。

水性無機塗料のメリットとデメリット
優れた耐久性や環境性などのメリット
・優れた耐候性と耐久性
長期間にわたって外壁を保護でき、塗り替え回数を減らせます。
・高い防汚性
雨水で汚れを流すセルフクリーニング効果により、外壁の美観を長期間維持できます。
・カビ・藻の発生抑制
無機成分主体で微生物の繁殖を防ぎ、湿気の多い環境に適しています。
・環境への配慮と安全性
VOC排出が少なく、人体や環境への負担も低減できます。
・コストパフォーマンス
初期費用は高めですが、耐用年数が長く、長期的には総コストを抑えられます。
価格や施工難易度などのデメリット
・価格が高い
一般住宅30坪で約120万円と、他塗料より高額です。
・施工が難しい
塗膜が硬く密着性が低いため、熟練した職人と適切な下地処理が必要です。
・塗膜が硬くひび割れリスクあり
建物の動きによって塗膜が割れる可能性があります。
・乾燥時間が長い
天候に左右されるため、施工スケジュールには余裕が必要です。
水性無機塗料の種類と選び方
主な水性無機塗料の種類
・シリコン樹脂系
耐久性と柔軟性を両立し、ひび割れに強いタイプ。
・フッ素樹脂系
最高レベルの耐久性と光沢。価格は高め。
・アクリル樹脂系
低コストで施工しやすいが耐久性はやや劣る。
・無機ZEON系
高耐候性と防汚性で、雨で汚れが流れやすい。
自宅に最適な水性無機塗料の選び方
・家の状況と塗料の特性
築年数、外壁状態、地域の気候を考慮し、柔軟性や防汚性に応じた塗料を選ぶ。
・長期的なコストとメンテナンス
耐用年数を踏まえ、費用対効果を考慮する。
・施工実績と技術力のある業者選び
経験豊富な専門業者に依頼し、施工保証も確認。
・メーカーごとの特徴比較
耐用年数、機能、価格を比較して最適な製品を選ぶ。
人気メーカーと代表的な商品
・日本ペイント:パーフェクトセラミックトップG(耐用20〜25年、高耐久・光沢)
・関西ペイント:アレスダイナミックMUKI(耐用15〜20年、施工性良)
・エスケー化研:SKプレミアム無機(耐用20〜25年、防汚性能高)
・日進産業:ガイナ(耐用15〜20年、断熱・遮熱効果あり)
・TOTO:ハイドロテクトカラーコート(耐用15〜20年、光触媒で防汚・セルフクリーニング)
よくある質問
・気候条件
日当たりの良い場所や雨が多い地域、海沿いなどでも性能を発揮。
・保証期間
10〜15年が一般的。施工内容や下地で変動するため確認が必要。
・塗り替え時期のサイン
チョーキング、色あせ、ひび割れ、塗膜の浮きや剥がれが目安。

まとめ
水性無機塗料は、耐久性、耐候性、防汚性、環境配慮を兼ね備えた塗装材です。
初期費用は高めですが、長期間のメンテナンスコスト削減でトータルコストは抑えられます。
施工には専門知識と技術が必要で、塗膜の硬さからひび割れリスクも考慮する必要があります。
ご自宅の状況や目的に合わせ、最適な水性無機塗料を選び、信頼できる業者に依頼することが、美しい住まいを長く保つ鍵です。






















