目地の3面接着ひび割れを解決!2面接着への改修手順と費用相場
2022.08.23 (Tue) 更新

外壁のコーキング目地について、「2面接着」と「3面接着」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これらは外壁の防水性や気密性を保つ上で非常に重要な工法です。
しかし、その違いや施工方法を理解していないと、後々のトラブルにつながる可能性があります。
今回は、2面接着と3面接着の違い、それぞれの特徴、適切な施工やメンテナンスについてご紹介します。
目地3面接着とは?2面接着との違い
3面接着と2面接着の基本定義
コーキングは、サイディング外壁の水密性や気密性を確保する重要な役割を担います。
2面接着は、コーキング材が左右の外壁にのみしっかりと接着する状態で、目地底にはボンドブレーカーやバックアップ材を挿入して、底面に接着しないようにする施工方法です。
これにより、建物の動きや温度変化による伸縮に柔軟に対応でき、コーキング材のひび割れや剥離を防ぐことができます。
一方、3面接着は左右の外壁に加え目地底にもコーキング材が接着してしまう状態を指します。
この場合、目地の動きに追随できず、建物の揺れや外壁の伸縮によってひび割れや破断が発生しやすくなるという問題があります。
見た目だけでは違いがわかりにくいこともありますが、耐久性や施工後の性能に大きく影響するため、適切な施工方法を選ぶことが非常に重要です。
ボンドブレーカーとバックアップ材の役割
ボンドブレーカーやバックアップ材は、2面接着を確保するために不可欠な資材です。
これらを使用することで、3面接着を回避し、シーリング材が建物の動きに合わせて自由に伸縮できるようになります。
また、目地の深さを適切に確保することで、破損や剥離のリスクを最小限に抑えることができます。
素材は一般的に合成繊維や合成ゴム製で、シーリング材と接着せず、軽量でクッション性があり、耐水性も備えています。
目地が浅い場合にはボンドブレーカーを使用し、深い場合にはバックアップ材を使用するのが一般的です。
これにより、施工後も長期間にわたってコーキング材が本来の性能を発揮できるようになります。
それぞれのメリットとデメリット
・2面接着のメリット
外壁の動きに追随するため、ひび割れや剥離を防ぎ、コーキング材の耐久性を高めることができます。
施工後の見た目や防水性能も安定しており、住宅の寿命に直結する重要なポイントです。
・2面接着のデメリット
万が一剥離が発生すると、目地から水が浸入しやすくなる可能性があります。
ただし、通常の施工であればこのリスクは非常に低く、問題になることはほとんどありません。
・3面接着のメリット
施工直後は、コーキング材が全体に接着しているため、防水性が高く見える場合があります。
初期の段階では安定した印象を受けることもあります。
・3面接着のデメリット
建物の揺れや外壁の伸縮により、コーキング材が自由に伸縮できなくなるため、ひび割れや破断が起こりやすくなります。
また、施工後のメンテナンスや補修も難しく、長期的な耐久性が低下するリスクがあります。
3面接着が適している場所と避けるべき場所
2面接着は、建物の動きが大きい「ワーキングジョイント」に適用されます。
具体的には、木造住宅のサイディング目地や金属笠木の取り合い部分など、建物の伸縮や揺れが生じやすい箇所は必ず2面接着で施工する必要があります。
一方、3面接着は、動きが小さい「ノンワーキングジョイント」に適用される場合がありますが、戸建て住宅の外壁目地のように動きが大きくなる箇所では避けるべきです。
適切な接着方法を選ぶことで、コーキングの寿命を延ばし、外壁の美観や機能性を長期間保つことが可能となります。

3面接着が抱える問題点と正しい施工方法
3面接着がひび割れやすい理由
3面接着ではコーキング材が目地の3方向に接着するため、外壁の動きに追随できず負担が大きくなります。
ひび割れから雨水が浸入し、構造材や断熱材に影響する可能性があり、築5~7年程度で問題が見られる場合は3面接着の可能性があります。
適切な2面接着への改修手順
1.既存目地の撤去:劣化したコーキング材を完全に除去。
2.マスキングテープの貼り付け:周囲を汚さず仕上がりを美しく。
3.バックアップ材またはボンドブレーカーの挿入/貼り付け:2面接着を確保。
4.プライマー塗布:接着力を高め剥がれにくく。
5.コーキング材の充填:隙間なく均一に。
6.ヘラでならし:美しい仕上がりと防水性を確保。
7.マスキングテープの除去:硬化前に剥がす。
施工時に確認すべきポイント
・新築時の施工状況を理解する。
・改修時のボンドブレーカーの再設置を確認する。
・業者から施工方法の詳細な説明を受ける。
・施工中に目地奥の状態を確認できると安心。
2面接着への改修費用
目地改修工事の費用相場
コーキング打ち替えは1mあたり900~1,100円、バックアップ材等の追加費用は1mあたり500~900円程度。
戸建て住宅では総額14~24万円が目安(足場代別)。
複数業者に現地調査と見積もりを依頼し、明細を比較検討することが重要です。
足場代など付帯工事の注意点
足場代は15~30万円程度かかる場合があり、外壁塗装と同時施工で効率化可能です。
高圧洗浄や下地補修も含めた総コストを把握し、長期的視点で計画を立てましょう。
よくある質問
コーキングの寿命はどのくらいですか?
一般に5~10年程度で、ひび割れや剥がれが出たらメンテナンス時期です。
コーキングの打ち替えと増し打ち、どちらを選べばいいですか?
打ち替えは耐久性が高く推奨されます。増し打ちは費用は安いが根本的な劣化解決にはならず、耐久性も劣ります。
外壁塗装の時期とコーキングの劣化は関係ありますか?
コーキングの劣化は外壁全体の防水性の低下を示すサインです。外壁塗装と同時施工で足場代を節約できます。

まとめ
外壁のコーキング目地における2面接着と3面接着は、防水性や耐久性に大きく影響します。
2面接着はひび割れリスクが低く、木造住宅のサイディング目地では基本工法です。
3面接着になっている場合は、適切な手順で2面接着に改修することで建物の寿命を延ばせます。





















