シート防水とは?メリット・デメリット・選び方をわかりやすく解説
2022.08.21 (Sun) 更新

シート防水は、建物を雨水から守るために重要な役割を果たします。
しかし、どのような特徴があるのか、どんなメリットがあるのか、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、シート防水の基本から、そのメリット・デメリット、そしてよくある質問まで、幅広くご紹介します。
シート防水について理解を深め、ご自身の建物に最適な防水方法を選ぶためにお役立てください。
シート防水とは
シート防水の定義
シート防水とは、塩化ビニールや合成ゴムなどの素材で作られたシート状の防水材を、建物の屋上や屋根などに貼り付けて防水層を形成する工法です。
工場で均一な品質で製造されたシートを使用するため、施工品質が安定しやすいという特徴があります。
広い面積でも比較的短期間で施工できるため、大規模な建物にも適しています。
シート防水の種類
シート防水には、主に塩ビシート防水とゴムシート防水の2種類があります。
・塩ビシート防水
塩化ビニール樹脂で作られたシートを使用する工法です。
耐候性、耐薬品性に優れており、紫外線や熱にも強いため、屋上や屋根など、直接日光や雨風にさらされる場所に適しています。
高反射タイプのシートを使用することで、遮熱効果も期待できます。
・ゴムシート防水
合成ゴムを主原料としたシートを使用する工法です。
柔軟性が高く、下地の動きに追従しやすいため、建物の振動や伸縮がある場所に適しています。
比較的安価で施工しやすいというメリットがありますが、塩ビシートに比べて耐候性や耐薬品性はやや劣ります。
シート防水の工法
シート防水の工法には、主に密着工法と機械固定工法の2種類があります。
・密着工法
接着剤を使用して、防水シートを下地に直接貼り付ける工法です。
下地が平滑で乾燥していることが条件となります。
比較的安価で施工できますが、下地の状態に左右されやすいというデメリットがあります。
・機械固定工法
アンカーやディスク盤などの固定具を使用して、防水シートを下地に固定する工法です。
下地が湿っていても施工可能で、下地の状態に左右されにくいというメリットがあります。
密着工法に比べて費用は高くなります。

シート防水のメリットとは?
品質の安定性
シート防水の大きなメリットは、品質の安定性です。
工場で生産された均質なシートを使用するため、現場での施工品質にばらつきが出にくいのが特徴です。
ウレタン防水のように、現場で材料を調合する工法と比較して、品質管理が容易であり、安定した防水性能が期待できます。
工期の短縮
シート防水は、他の防水工法に比べて工期を短縮できるというメリットがあります。
シートを貼り付けるだけで防水層を形成できるため、乾燥時間が必要ありません。
そのため、天候に左右されにくく、スピーディーな施工が可能です。
幅広い建物への適用性
シート防水は、様々な種類の建物に適用できます。
下地を選ばずに施工できるため、新築はもちろん、改修工事にも適しています。
また、屋上だけでなく、ベランダやバルコニーなど、様々な場所で使用できます。
環境への配慮
近年では、環境に配慮したシート防水材も開発されています。
リサイクル素材を使用したシートや、VOC(揮発性有機化合物)の放出量が少ないシートなどがあり、環境負荷を低減することができます。
知っておきたいデメリット
複雑な形状への不向き
シート防水は、シート状の材料を使用するため、複雑な形状の場所には不向きです。
凹凸が多い場所や、配管などが入り組んだ場所では、シートを隙間なく貼り付けるのが難しく、施工不良の原因となる可能性があります。
初期費用が高い傾向
シート防水は、ウレタン防水などの他の防水工法に比べて、初期費用が高い傾向があります。
しかし、耐久性が高く、メンテナンス費用を抑えられるため、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れていると言えます。
シート損傷時のリスク
シート防水は、シートが一体となっているため、一部分が損傷すると、そこから水が浸入し、建物全体に被害が及ぶ可能性があります。
しかし、部分的な補修も可能なので、早期発見・早期対応が重要です。
FAQ(よくある質問)
Q1: シート防水の耐用年数はどれくらいですか?
A1: シート防水の耐用年数は、使用するシートの種類や施工方法、環境条件によって異なりますが、一般的には10年〜20年程度です。
塩ビシート防水の方が、ゴムシート防水よりも耐用年数が長い傾向があります。
Q2: シート防水のメンテナンスはどのようにすれば良いですか?
A2: シート防水のメンテナンスとしては、定期的な清掃や点検が重要です。
シート表面の汚れを落とし、ひび割れや剥がれがないかを確認しましょう。
トップコートを定期的に塗り替えることで、シートの寿命を延ばすことができます。
Q3: シート防水の費用はどのくらいかかりますか?
A3: シート防水の費用は、施工面積やシートの種類、工法によって異なります。
一般的には、1平方メートルあたり5,000円〜8,500円程度が目安となります。

まとめ
シート防水は、品質の安定性、工期の短縮、幅広い建物への適用性、環境への配慮など、多くのメリットを持つ防水工法です。
複雑な形状には不向き、初期費用が高い傾向、シート損傷時のリスクといったデメリットもありますが、適切な施工とメンテナンスを行うことで、建物を長期間雨水から守ることができます。
シート防水を検討する際は、メリット・デメリットを十分に理解し、当社のような専門業者に相談して最適な工法を選びましょう。























